LOVE and DAYS…瞬きのように
玄関でアキを見送る健吾の隣に、あたしはできるだけ普通の顔をして並んだ。
「今日はありがとうな。気をつけて帰れよ」
「ああ。お前もあんまり無理すんじゃねーぞ」
アキは健吾にそう言うと、ふと顔をあたしに向けた。
「そういや中川が、あんたのことすげー心配してたよ」
「真由ちゃんが?」
「たまには電話してやれば?」
「うん……」
決して真由ちゃんのことを忘れていたわけじゃないんだ。
けれど彼女を巻きこむのが嫌で、ずっと連絡していなかった。
「わかった。今夜、かけてみるね。ありがとう」
そう言ってあたしがうなずくと、アキは少しだけ微笑んで、玄関を出て行った。
……いつも通りの態度。
やっぱりさっきのあれには、特別な意味なんかなかったんだよね?