LOVE and DAYS…瞬きのように
「莉子?」
閉まったドアを見つめたままのあたしを、健吾がのぞきこんでくる。
あたしは目を合わすことができず、健吾の腕にぎゅっとしがみつき、うつむいた。
「ん? どうした?」
「……何でもない」
変なやつ、と笑いながら、あたしの頭に手をのせる健吾。
「健吾……髪、なでて」
小さな声でお願いすると、健吾は何も疑うことなく髪をなでてくれた。
温かくて大きい、健吾の手。
あたしはその感触を胸に刻みながらも
鳴りやまない鼓動を、無視することができずにいた。