LOVE and DAYS…瞬きのように
あたし、なんで家に電話なんかしてるのかな。
自分でもよくわからないけれど、止められないんだ。
いくら鳴らしても、受話器が上がる気配はなかった。
真っ暗なだけのあの部屋が、あたしの頭に浮かぶ。
夜勤ばかりのお母さん。
夜遊びばかりのお姉ちゃん。
「なんで……誰もいないのよぉっ……」
ずっと抑えてきた感情は、一度あふれだすと止まらなかった。
あたしは携帯を投げ捨て、布団をかぶって泣いた。
どのくらい時間が経っただろう。
チャイムが鳴り、無視していると玄関で物音が聞こえた。
「莉子? 寝てんのか?」
うかがうように寝室に入ってきた健吾が、電気をつける。