LOVE and DAYS…瞬きのように
「莉子。目、閉じてみろ」
「え……?」
言われた通りに目をつむると、コツン、とおでこが当たった。
「俺はな、春からずっとお前を見てきた。
お前のいろんなところを、そばで見てきたんだ」
「………」
「仲間のために一生懸命になれるところ。
人の痛みがわかるところ。
本当は弱いくせに必死で頑張るところ」
健吾の声が、優しく鼓膜を揺らす。
とくん、とくん、と息吹を与えるように
あたしに沁みこんでいく。
「おとなしそうに見えて実は気が強いとことか
うまそうにカップラーメン食うとこも
ガキみてぇな無邪気な笑顔も」
「………」
「お前は、俺が見つけた最高の女なんだ」
閉じたあたしの瞳から、涙が静かに流れた。