LOVE and DAYS…瞬きのように

「だから自分のこと嫌いだなんて言うな」

「……うん」
 

健吾の唇があたしの涙をぬぐった。


おでこや頬や唇にも、まるで優しさを降らせるように、健吾はいろんな場所にキスをした。
 


あたしはまた泣いてしまう。

健吾の胸で、すべてを吐き出してしまう。
 

だけどその涙は温かくて……

絡まっていた心の鎖が、解けていくようで。
 


ねえ、健吾。


あたしは今日のことを絶対に忘れない。


あなたにもらった強さを

そして自分が存在することの喜びを。
 


もう平気だよ。

あたしは前に進んで行ける。
 

あなたにも進んでもらいたいから。



だから、健吾。





逃げ続けるのは

終わりにしよう――…。





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