LOVE and DAYS…瞬きのように
和室を出ると、健吾のお父さんが憔悴した様子で、テーブルにひじをついていた。
「……あいつは、元気なのか?」
目も合わさずに尋ねられる。
「はい」
「そうか……」
ため息を吐きながら頭を抱える、健吾のお父さん。
きっちりと整えられた髪が少しだけ乱れた。
「……どうしてあいつは、親に心配かけるようなことばかりするんだろう。
たしかに居心地のいい家じゃなかったかもしれない。
だけど……
どんなに冷えきった家族でも、離婚だけはしなかったのは、あいつのためなのに――」
「だからじゃないんですか?」
戸惑いに見開いた瞳が、こちらを向く。
こんなこと、あたしが言うべきじゃないのかもしれない。
だけどあふれて止まらない言葉を
あたしは目をそらさずに、ぶつけた。