LOVE and DAYS…瞬きのように
「好きだから一緒にいたい……その気持ちはホントだよ?
でもそれを、現実から逃げるための言い訳にしてたと思う」
「………」
「そんなんじゃダメだって、気づかせてくれたのは健吾なんだよ」
あたしを丸ごと受け入れてくれる、健吾がいたから。
あたしはやっと、自分と向き合う決心がついたんだ。
この恋を言い訳にしちゃいけないってこと。
一歩ずつでも前に進まなきゃいけないってこと。
健吾にも気付いてほしい……。
あたしたちは川をはさんで見合ったまま、しばらく黙っていた。
長い沈黙のあと、返ってきた答えは予想していたものだった。
「俺は、ここに残る」
「健吾……」
「今さら家族とか学校に未練もねぇしな」
「本当にいいの? 過去を全部捨てることになるのに」
「ああ」
「嘘だよ」
「嘘じゃねぇよ」
「じゃあ……どうしてこんな物を、ずっと大切に持っていたのか教えて」
あたしは健吾の家から持ってきた物を、袋から出した。