LOVE and DAYS…瞬きのように
翌日。
サヨさんやノブさんに見送られ、あたしたちはS市を出た。
あの町が近くなるにつれ、鼓動が速くなっていく。
到着したのは、夜もすっかり深くなった頃。
あたしはアパートの階段を見上げて、立ちすくんだ。
電気はついていないみたいだけど、留守なのか、それとももう寝たのかはわからない。
「送ってくれてありがとう。健吾も気をつけて帰ってね」
不安を隠してそう言うと、健吾はあたしの顔をじっと見てバイクを降りた。
そしてあたしの背中に手を添え、階段の方に歩きだした。