LOVE and DAYS…瞬きのように

「……ついてきてくれるの？」


「お前の親にちゃんとあやまって、挨拶しねぇとな」


「うん……」
　

健吾がこの先のことを、ちゃんと考えてくれているんだと思うと嬉しい。


だけど、お母さんの怒った顔が目に浮かぶ。

何を言われるのかと想像してしまう。

やっぱり怖い……。
　

あたしは健吾の手に背中を押されながら、ドアの前までたどり着いた。


そして鍵を開けようとした、そのとき。


「莉子？」
　

少し離れたところで、声が響いた。
　

ふり向くと、コートを着込んだお母さんとお姉ちゃんが、階段を上がったところに立っていた。


「莉子っ……！」
　

バッグを落として、駆け寄ってくるお母さん。


あのときと同じように

ヒールの音を響かせ
必死の形相で。