LOVE and DAYS…瞬きのように
「……店員さんには関係ないじゃないですか」
「その通りだな。はははっ」
男が大きくうなずき、豪快な笑い声を響かせる。
ていうか、さっきから聞いてれば何なの、こいつ。
やたら偉そうな態度に、ズケズケした口調。
接客業のくせにシルバーアクセなんか着けてるし。
「ま、あんな女にだまされる男はたいしたことねぇよ」
って。なんで他人のお前がそれを言うんだよ。
すっかり苛立ったあたしは、男の言葉に取り合わず出口へと向かう。
自動ドアが勢いよく開くと、冬のなごりを残した風が肌を刺した。
その冷たさで、あたしはハッと思い出した。
最悪だ。
さっきの部屋に上着を忘れてんじゃん。