LOVE and DAYS…瞬きのように
保健室の扉を開けると、案の定、ベッドのカーテンが閉まっていた。
「アキ――」
「あんたって最低!」
カーテンの向こうから聞こえてきた女の人の声に、あたしは慌てて言葉を飲み込む。
「せっかくあたしがここまで誘ってるのに! 女に恥かかせるなんてありえなくない!?」
「別に俺、ヤラせてとか頼んでねーし」
「その態度がありえないっていうのよ!」
カーテンから透けるふたつの影。
聞こえてくる赤裸々な会話。
あのベッドで何が起こっているのかは、想像にたやすかった。
決して盗み聞きするつもりなんかじゃなかったけど。
あまりにビックリしたら、足が動かなくなってしまって。
「悪ぃんだけどさぁ」
気だるいアキの声を、あたしはハッキリと聞いてしまった。
「俺、好きな女いるから」