LOVE and DAYS…瞬きのように
「なーんだ、やっぱり莉子ちゃんも気になるんじゃん」
「ち、違うよ」
「照れない、照れない。
うん、たしかに中学の頃はスポーツしてたみたいだけどね。何部なのかは知らないなあ」
「陸上だよ」
前の席に座っていた男の子が、突然ふり返って言った。
きょとんとするあたしたちに、彼は得意げな口調で続ける。
「あと、バスケ部にサッカー部に水泳部。
意外なとこでは柔道もかじってたし。
要するに何でもこなすタイプだったんだよな」
「……あ、あの?」
「俺、健吾先輩の中学の後輩で、森本ミツル。よろしく」
パイプ椅子の背もたれから体を乗り出し、“ミツル”君は右手をあたしに伸ばしてきた。