LOVE and DAYS…瞬きのように
閉店間際のケーキ屋さんで買った、苺のケーキ。
きっちり18本のろうそくを立てて、みんなでテーブルを囲む。
甘い物が大嫌いなアキだけは、輪の外から見てるだけって感じだったけど。
「んじゃ、今からケンケン18歳のバースディパーティを始めま~す」
ろうそくに火をつけて、部屋の電気を消すと、橙色の光の中に健吾の横顔が浮かび上がった。
「Happy Birthday to you~……」
みんなが合唱する中、健吾がそっと耳打ちしてきた。
「まだ拗ねてんのか?」
「……え? 別に」
「ブスっとしてんじゃねぇか」
「………」
それは拗ねてるんじゃなくて、気まずいだけ。
さっきミツルにあんなこと言われたもんだから、どんな顔をすればいいのかわからないだけ。