LOVE and DAYS…瞬きのように
ケーキを食べてしばらくすると、あたしたちは早々に帰ることにした。
「じゃあな、健吾。莉子ちゃんは俺らがちゃんと家まで送るから、お前は勉強がんばれよ」
「ああ……。悪いけど頼む」
健吾はシンさんにそう言うと、あたしの方を向いた。
「送ってやれなくて、ごめんな」
「ううん」
正直、健吾と一緒にいる時間が少ないのはちょっと寂しい。
だけど健吾が今、頑張っているのは
お父さんとの約束を守るため。
これからもずっと長く、あたしたちが付き合っていくため。
逃げるんじゃなく、堂々と一緒にいる道を選んでくれた健吾は、前にも増してカッコいいよ。
コートを着たあたしに、健吾は厚手のマフラーを巻いてくれた。
それはあったかくて、健吾の匂いがした。