LOVE and DAYS…瞬きのように


ケーキを食べてしばらくすると、あたしたちは早々に帰ることにした。


「じゃあな、健吾。莉子ちゃんは俺らがちゃんと家まで送るから、お前は勉強がんばれよ」


「ああ……。悪いけど頼む」
 

健吾はシンさんにそう言うと、あたしの方を向いた。


「送ってやれなくて、ごめんな」


「ううん」
 


正直、健吾と一緒にいる時間が少ないのはちょっと寂しい。


だけど健吾が今、頑張っているのは

お父さんとの約束を守るため。

これからもずっと長く、あたしたちが付き合っていくため。
 

逃げるんじゃなく、堂々と一緒にいる道を選んでくれた健吾は、前にも増してカッコいいよ。
 


コートを着たあたしに、健吾は厚手のマフラーを巻いてくれた。

それはあったかくて、健吾の匂いがした。

< 424 / 580 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop