LOVE and DAYS…瞬きのように

すっかり意気投合した真由ちゃんとミツルは、放課後遊びに行くことになったらしい。


「莉子ちゃんも行こうよ」

と誘ってくれたけど、遠慮しといた。

ふたりは気が合っているみたいだし、あたしが行ったら邪魔なんじゃないかって考えてしまって。



校門を出て駅に向かっていると、道沿いに小さな駄菓子屋さんがあった。

店先ではおばあさんが腰を曲げ、箱に入ったお菓子を並べている。

背が低くぽっちゃりした、球体のような体。


かわいいなあ……なんて思いながら見ていると、おばあさんの手から箱が滑り落ちた。


「大丈夫ですかっ?」

すぐに駆け寄って、地面にしゃがむあたし。


「あらまぁ、ありがとうね」


笑いじわを浮かべるおばあさんに首を振り、散らばった駄菓子を拾った。

きなこ餅や、カリカリの梅、子どものころ好きだった物ばかりで懐かしい。


すべて拾い終えて立ち上がったそのとき、

お店の奥のドアが勢いよく開いた。


「……あ」


なんで


「おぉ、お前か」


なんでこんな所から、月島健吾が登場するわけ!?


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