LOVE and DAYS…瞬きのように
昔ながらの駄菓子屋さんに、似つかわしくない月島健吾の姿。
だけど本人はいたって普通の様子で、すたすたと店内を歩く。
「お前も来いよ」
「はい?」
冷蔵庫から売り物のジュースを取り出すと、彼は再び奥に入っていった。
そのマイペースな態度に、取り残されたあたしはア然としてしまった。
別に、このまま帰ったっていいんだ。
彼の言うとおりにする必要なんかない。
でも……なんでだろう。
ちょっと行ってみたい。
月島健吾のことを、もっと知ってみたい。
そう思った。
あたしは彼の後に続き、恐る恐るドアをくぐった。
「……何、この部屋」
6畳ほどの、こぢんまりとした個室だった。
マンガ雑誌が散乱したコンクリートの床。
古びたコインゲーム機が3台、テーブルの代わりのように置かれている。
思わず顔をしかめてしまったのは、白濁した空気が目にしみたせいだ。
無理もない。
だって、せまい部屋に男たちが集まってタバコを吸っていたのだから。
「あ、休憩時間に来てた子じゃん」
そう言ってズカズカと寄ってきたのは、オリーブ色の髪をした大男。
昼休憩に声をかけてくれた、あの人だ。