LOVE and DAYS…瞬きのように
「健吾に呼ばれて来たの?」
「へっ? いえ、そんなんじゃ」
「店の前でドラミとしゃべってたんだよ」
と、月島健吾がわけのわからない言葉をはさむ。
……ドラミ?
「それって誰のこと?」
「この店のばあちゃん。ほんとは寅美さんっていうんだけど、あの通りドラミちゃんみたいな外見だから」
月島の代わりに、オリーブ色の彼が答えてくれた。
言われてみればたしかにドラミちゃんに似ているかも。
想像したあたしは、思わず吹き出してしまう。
「でもさぁ」
と、オリーブ色の彼はあたしの顔をまじまじ見つめてきた。
「君、ドラミとしゃべったなんてすごいよ。
あの人ってほとんど他人と口きかねーんだから」
「そうなんですか?」
「きっと君のこと気に入ったんだろうね~。
あ、俺はシンっていうんだけど、君は?」
「おい」
月島健吾が彼の頭を後ろからはたいた。
「勝手にナンパするな。
俺だってまだ名前聞いてねぇのに」