LOVE and DAYS…瞬きのように
アキが住んでいるのは9階。
エレベーターを降りると廊下から町の風景が一望でき、健吾のマンションも見えた。
あたしは少しだけ不安な気持ちで、チャイムを押した。
「……はい?」
ちょうど出かけるところだったのか、2秒と待たずにドアが開く。
出てきたのは、スラッと背の高い色白美人。
きれいな顔立ちがアキにそっくりだ。
「突然すみません。あたし、アキくんと同じクラスの矢沢莉子っていいます」
アキにお姉さんがいたなんて初めて知ったあたしは、緊張気味に挨拶をした。
すると、ニッコリ笑ったその人から返ってきた言葉は……。
「どうも、息子がいつもお世話になってます」
……え!?
お母さん!?