LOVE and DAYS…瞬きのように
「なんであんたが、ここに来んだよ?」
アキのその問いかけに答える余裕は、もうなかった。
……顔を見たとたん
涙があふれて。
自分でもどうしたのかと思うくらい、熱いものがこみ上げて。
「アキ……」
あたしの嗚咽が、病室に響いた。
「どうして今まで病気のこと言ってくれなかったのよ……アキのバカ……っ」
「は? バカは言いすぎだろ」
アキは困った顔で笑いながら、ベッドから降りた。
この涼しい笑顔の下で、どれだけのものを隠し続けてきたんだろう。
「誰に聞いて来たのか知らねーけど、大げさなんだよ。
心臓病っつっても俺のは軽度だし、手術も簡単で――」
「そんな問題じゃないよっ」
あたしはアキの言葉を遮り、首を振った。
「アキ、あたしに言ったよね?もっと他人を頼れって。
なのにアキが一番、誰のことも頼りにしてないじゃん。
あたしだってアキの力になりたいのに……」