LOVE and DAYS…瞬きのように
そして、健吾は何か言いかけて飲み込み
そのまま病室を出て行ってしまった。
「健吾、待っ――」
追いかけようとしたあたしを、後ろからアキが抱きしめる。
「アキ……っ」
離して、なんて言えない。
すがりつくようなこの腕を、また振り払うなんてできない。
「行くなよ。頼むから」
アキの口から出たとは信じられない言葉だった。
だけどどんな言葉より、
びくともしない2本の腕が、多くを物語っていた。
「アキ……」
あたしはもう、どうすることもできなくて。
泣きながら懇願するように名前を呼び続けていると
ふっと腕が解かれた。