LOVE and DAYS…瞬きのように
呆然とするあたしに、アキはぎこちなく微笑み、床に落ちた鞄を拾って渡してくれる。
「そんな顔すんなって。冗談だし」
「え……?」
「もうじき面会時間終わるから、早く帰れば?」
……ああ、もう。
この人は本当に、どこまで優しいんだろう。
こんな優しい人を置いて行くなんて、最低だと思う。
だけど今は、
健吾を追いかけたいんだ。
「ごめんね、アキ……っ」
あたしは鞄を受け取り、病室を飛び出した。
病院を出ると、健吾の姿はすぐに見つかった。
「健吾っ」
信号を渡ろうとしていたところを、後ろからコートをつかんだ。