LOVE and DAYS…瞬きのように
きっと健吾は、相当怒っているに違いない。
そう思っていたのに
振りむいた健吾の顔は、予想に反してあっけらかんとしていた。
「なんだよ。お前、来たのか?」
「……へ?」
あれ?
なんでこんなに普通なの?
「俺のことはいいから、アキのそばにいてやれよ。
なんか知らねぇけどあいつ、体悪いんだろ?」
「う、うん……」
拍子ぬけしたあたしは、健吾のコートから手を離した。
じゃあな、と軽い調子で言って、信号を渡り始める健吾。
なんだ……
あたしが心配しすぎただけか。
少しホッとした気分できびすを返し、病院に戻ろうとしたとき。
「てめぇ、どこ見てんだよ!」
健吾の怒声が後ろから聞こえ、あたしはバッとふり返った。