LOVE and DAYS…瞬きのように

そして見たものは

原付に乗った男の子の胸ぐらをつかむ健吾の姿。


怒鳴りたてる言葉を聞いていると、どうやら、原付がぶつかりそうになったらしいけど。
 

それにしても、健吾のキレ方は凄まじかった。


「ちょっと! やめなよ!」
 

あたしは駆け寄って、男の子から健吾の手を離させる。


「早く逃げて」と男の子に目で合図すると、原付は一目散に走り去って行った。



「健吾、そんなにキレなくても――」
 

言いかけて、あたしは言葉を止めた。
 


見上げた健吾の顔が

驚くほど冷たい怒りに満ちていたから。



「健…吾……?」
 

あたしと目を合わせてくれない健吾の顔が、怖い。



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