LOVE and DAYS…瞬きのように

ずっとキミの



よく晴れた穏やかな午後。

あたしはガーベラの花を手に、病室のドアをノックする。


「はい」
 

中から聞こえるのは、いかにも退屈していたようなアキの声。


「おじゃましま~す」

「また来たのかよ。あんたもヒマだなぁ」
 

こんな憎まれ口を叩けるくらい、アキの体はめきめき回復し、退院も間近だ。
 

あたしは鼻歌をうたいながら、窓ぎわの花瓶に花を挿した。



「今日は、健吾は?」
 
とアキが尋ねてくる。


「大学の入学手続きに行くって言ってたよ」

「ふーん」
 

そう……健吾は無事に、本命の大学に合格した。

春からは晴れて大学生なんだ。


< 513 / 580 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop