LOVE and DAYS…瞬きのように
「今日は、バイクじゃないんだね」
沈黙に耐えきれず言うと、健吾は「ああ」とうなずいた。
「売ったんだ」
「……売った?」
「あのマンションを出ていくから、その金のためにな」
胸が、張り裂けそうになった。
出ていくって……どこに引っ越すの?
尋ねたい気持ちをこらえ、あたしは平然とした声を出す。
「そっかぁ。大変だね」
「まあな」
それから健吾は、真っ暗な夜空を見上げて。
まるでそこに、輝く月や星があるかのように、目を細めた。
「あいつは……アキは絶対ぇ、目を覚ますよ」
「………」
「だからお前はあいつのそばで、信じて待ってやれ」