LOVE and DAYS…瞬きのように
――『文句、言わなくていいのか?』
カラオケ店で失恋したあたしに、偉そうに声をかけてきた健吾。
あの頃はまだ知らなかった、ひたむきに人を愛する気持ちを
あたしに教えてくれたのは健吾だった。
あたしを好きだと言ってくれた。
あたしの孤独を癒してくれた。
あたしに居場所を与えてくれた。
あたしに勇気を分けてくれた。
こんなにも、こんなにも。
あたしの心は健吾でいっぱいだった――
「――…健吾っ!!」
玄関のドアに手をかけたとき。
こみ上げる想いが抑えきれなくなり、あたしは階段をかけ下りた。
健吾はまだそれほど遠くには行っていなくて
あたしの声に気づき、ふり返った。