LOVE and DAYS…瞬きのように
夢
世間はもう春休みだった。
だけど家から一歩も出ないあたしには、関係がない。
「はい……ごめんなさいね。莉子にはちゃんと伝えておきます」
廊下から聞こえる声。
お母さんは電話を切ると、そっとあたしの部屋のドアを開けた。
「莉子。ミツル君がまた、電話くれたわよ」
「そう……」
あたしは顔も上げずに、小さく返事した。
最近のあたしは、誰からの電話にも出ない。
携帯は電源を切っているし、家にかかってきた電話は、今みたいに断ってもらっている。
こんなんじゃダメってわかっているのに。
アキの病院にも行かなきゃって思うのに。
健吾がいなくなってから
あたしは徐々に気力を失っていった。