LOVE and DAYS…瞬きのように

「アキにもうひとつ、お礼を言うことがあったんだ」


「何?」


「生きていてくれて、ありがとう」


「………」
 


アキは少しの間、唇を固く結んで。

そしてバレないように、小さく鼻をすすった。



「……当たり前だろ、100歳まで生きてやるよ」


「憎まれっこ世に憚るって言うもんね」


「うるせーな」
 


本当に……

本当にありがとう、アキ。
 

誰よりも強く優しかったあなたに、教えてもらったたくさんのことを

ずっと忘れずに生きていくよ。
 






それから数週間後。

アキは治療に専念するため、お母さんの田舎がある他県へと引っ越していった――…



< 552 / 580 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop