LOVE and DAYS…瞬きのように
「アキにもうひとつ、お礼を言うことがあったんだ」
「何?」
「生きていてくれて、ありがとう」
「………」
アキは少しの間、唇を固く結んで。
そしてバレないように、小さく鼻をすすった。
「……当たり前だろ、100歳まで生きてやるよ」
「憎まれっこ世に憚るって言うもんね」
「うるせーな」
本当に……
本当にありがとう、アキ。
誰よりも強く優しかったあなたに、教えてもらったたくさんのことを
ずっと忘れずに生きていくよ。
それから数週間後。
アキは治療に専念するため、お母さんの田舎がある他県へと引っ越していった――…