LOVE and DAYS…瞬きのように

和室のすみには、2年前の七夕の笹もあった。


「なつかしいなぁ」
 

思わず声にもらしながら、笹を手に取った。
 

みんなで書いた、短冊の願い事。

全員がふざけたことばっかり書いて……。



【健吾のバカが治りますように】


【莉子にもうちょっと可愛げが出ますように】
 


あたしと健吾は、ギャーギャー言い合ってたっけ。


そしたら、それを見ていたアキが……



【バカふたりの幸せが、ずっと続きますように】
 


アキ……。

アキはこの頃から、あたしたちを見守ってくれていたんだね。
 


くだらないことで笑い合っていた、あの頃のあたしたち。

戻れない日々が、とてもまぶしい。
 


あたしはそっと、笹を元の位置に戻した。
 

そのとき――


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