LOVE and DAYS…瞬きのように
バッグの中の携帯が震えたのは数分後だった。
ディスプレイに表示される、さっきの女友達の名前。
出ようかと電話をかまえたけれど、やっぱり無視することにした。
……もう忘れよう。
こないだ中学を卒業したあたしたちは、来月から違う高校に進学するんだから。
あんな裏切りも、失恋も、いっそきれいに忘れてしまおう。
あたしは携帯の電源を切り、上着のポケットに押し込んだ。
そのとき、カサッ、と何かが手に触れた。
「………」
何だろう?
取り出してみると、それは小さく丸めた白い紙だった。
ずいぶんクシャクシャになってるけど、たぶんあの男のものだと思う。
少し迷った末、空にかざすようにゆっくり開いてみた。