LOVE and DAYS…瞬きのように

じゃあもう別れてるってこと? 

あっちがあきらめきれないだけで、健吾はもう好きじゃないってこと? 
 

質問が頭の中で渦巻くけれど、口にすることができなくて。

暗闇でよく見えない健吾の顔を、あたしはただ見上げていた。


「言い訳は嫌いだからしねぇ。とにかく、悪かった」
 

健吾はこんな状況でも、やっぱり健吾だ。

ムカつくくらい偉そうで、堂々としていて。
 

悔しいけれど、あたしは負けてしまう。

健吾の瞳に

そしてごまかしきれない自分の想いに……。



「じゃあ健吾は今、誰とも付き合ってないの?」
 

つい、そんなことを聞いてしまった。

言ったそばから「しまった」と思い、あたしは大慌てした。


「あっ、あの、深い意味はないんだけどね!」
 

取り乱すあたしを、きょとんと見下ろす健吾。

やばい。これじゃ自分の気持ちをバラしてるようなもんじゃん。

< 73 / 580 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop