LOVE and DAYS…瞬きのように
親友
テーブルクロスに反射する朝日のまぶしさに、あたしは顔をしかめた。
これだから東向きのキッチンは好きじゃない。
早く大人になってこの家を出たい、なんて寝ぼけた頭であたしは思う。
「これ、莉子が作ったの?」
朝食をとるあたしの横で、お母さんが冷蔵庫からタッパーを取り出して言った。
「うん。でももう古いから捨てた方がいいかも」
「もったいないけど、仕方ないわね」
お母さんはタッパーのふたを開けて中のものを捨てる。
どろりとシンクに落ちていくのは、5日前に作ったシチュー。
それを横目で見ながらカフェオレを飲み干し、「行ってきます」と家を出た。