裏表恋愛心理
次の日、言われた通りの場所に予定よりも30分も早く到着した私だったけれど、それよりも先に遥人の姿がそこにあった。
「随分と早いじゃん」
「まあな。今日は勝負の日なもんで」
「気合十分なのは良いけど、私が彼女じゃないってバレないようにエスコートしてよね?」
「もちろん、そのつもり」
照れくさそうに笑う遥人の顔を見て、本当に大丈夫なのかと心配になる。
少し大人びた遥人の姿を盗み見ていた私の視線に気づいたのか、遥人の視線が絡まった。
「柚月の今日の格好気合い入ってるね」
「遥人の株を下げないように努力した結果がこれだよ」
「そっか、ありがとう」
まあそんなの嘘なんだけど、気合い入れてきましたけど。
そんな言葉正直に言えっこないから、動じていないフリをして待ち合わせ場所に遥人と共に向かう。
そこで待っていたカップルに私は息を飲んだ。
「お待たせ、響(ヒビキ)」
「お、遥人。本当に連れてきたな」
美男美女というのはまさしくこういうカップルを指すと言っても過言ではない程の、オーラが二人から湧き出ていた。