裏表恋愛心理


「こんな形での再会にしてごめんな」


「いいの……だって私が望んだことだもの。それに、前もってに言ったら私がここに来ないと思って、今日会う人を伝えなかったんでしょ?」



予想外だった、でも確かに私が望んだことだった。


でもやっぱり……こんな形になるってこと分かってたのに、なんでこんなに苦しいんだろう。



「響くん、私のこと何も覚えてなかったね」


「……」


「知ってたんだ、私なんかが眼中になかったことぐらい。あれが彼の望む本当に好きなタイプの女だったんだね」



昔、好きな人がいた。


その好きな人と私は両思いになれたと思っていた。


好きだって向こうから言われて、舞い上がっていたあの時の私はかなり馬鹿だったと思う。



「柚月、俺は今日こうしてあいつに会ったけど、本当は会いたくもなかった。あいつはたはだのクズでしかない。もういい加減目を覚ませ」


「分かってるよ……だから今日可愛くなった所を見せつけて切り捨ててやろうと思ったの、思ったのに……」



あの人が発した言葉は、“初めまして” のその言葉だった。


好みは私みたいな子だって言ってたのに、全然系統の違う女の子を横に連れて歩いて来たのも腹立たしかった。







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