翡翠の森
「……のようだな」
「え……」
予想に反してあっさり肯定され、ロイが驚いてレジーを見る。
「ロイ……! 」
大事な話をしていることはジェイダにも分かっていたが、とても抑えられなかった。
「……ジェイダ」
最悪の事態を免れたことに気が緩み、まわりのことなど目に入らない。
「ヒヤヒヤしたのはこっちだよ。でも、ごめん」
飛びついた体をそっと抱き留め、優しく背中を擦ってくれる。
「ロイ、ロイ……! 」
促されるまま、涙が溢れて止まらない。
「うん。ここにいる。ちゃんとジンに言ってから、飛び出してきた? 」
ああ、そうだった。
早くしないと、間に合わない。
「急がないと……時間が」
「ジェイダ? 」
焦りとは裏腹に、足に力が入らない。
「ジェイ……」
まるで魔法にかかったように、意識が遠のいていく。
ジェイダはロイの腕に倒れこんだ。