悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました
「それは、私を……す、好きになってくれたという意味ですか?」
なんてことを口走っているんだ!
動揺のあまりとんでもない質問をすると、クールな表情でまばたきをされる。そしてかすかに目を細めた彼は、そっと前屈みになった。
距離が縮まり、視界に影が落ちる。
頬に添えられた手が首筋へ流れ、チョーカーの上からじゃれるように噛みつかれた。牙の触れたところから熱が広がり、思考が溶けるほど甘い声が耳に届く。
「あぁ。お前が愛おしい」
呼吸すら忘れて身動きがとれない。
硬直する私の頭なで、ベルナルド様はソファを立って部屋を出ていく。
公務の間をぬって話す時間をとってくれたようだけど、さらっと告白の返事を聞かされて放置される私の身になって?
手近なクッションを抱きしめて、顔をうずめる。
ベルナルド様も私を愛しているの?これは、夢じゃない?
『甘噛みは求愛行動だから。気に入っている子には、本能的に噛みつきたくなるもんだよ』
かつてのレンテオさんのセリフがよみがえる。
喜びと恥ずかしさで感情が爆発した私は、しばらくクッションから顔があげられなかった。