悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました


「なんだこれは」

「エピナント国の西にある、モンペリエ国から送られてきた舞踏会の招待状です」

「くだらない。燃やせ」


 バッサリと一刀両断して席を立とうとするベルナルド様を「まぁまぁ、聞いてくださいよ」とレンテオさんがなだめる。

 説明によると、モンペリエ国は国交はあるもののそこまで活発なやりとりも信用もなく、虎視眈々とエピナント国への侵略をもくろんでいる“危ない相手”らしい。

 なぜ、わざわざ舞踏会の招待状を送ってきたのか真意が謎だ。

 すると、その心境を察したのか、レンテオさんが口を開く。


「ずばり、向こうが仕掛けてきた理由は陛下にあります。半年前、突然政治の表舞台から姿を消して辺境の古城へこもったあなたに、モンペリエ国は様々な考えを巡らせているようです。なにか、隠さなければならない事情があるのではないかと」


 緊張で、喉の奥からツバを飲む音がした。それは、私に説明してくれなかった陛下の秘密だ。

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