悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました
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 翌日。薬師としての仕事を終えた午後七時に、初めて城のホールに足を踏み入れた。大きなシャンデリアと色鮮やかなステンドグラスが輝いている。

 今までは、部屋と植物園を行き来する生活だったけど、こんなに素敵な場所があったのね。

 タオルと飲み物を置いて、準備万端だ。全身鏡を部屋から借りて壁に立てかける。

 卒業プロムに向けて、学生の頃にランジェット夫妻と練習した時期もあった。しかし、だいぶ時が経っているうえに、体がうまく動かない。

 そもそも、ひとりでは上手くイメージできないわ。舞踏会では誘われたら初対面の人とも踊るかもしれないし、日替わりで使用人のみんなにお相手を頼もうかしら。

 シンプルなワンピースを着た鏡の向こうの自分とにらめっこをしていると、ホールの扉が開いた。現れた人物に目を見張る。

 それは、白いシャツ姿の陛下だ。黒いパンツは長い足を際立たせていて腰の高さがよくわかる。

 どうして、ここへ?

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