悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました
「あぁ、この植物園で薬品の管理を任されているのはあの女だ。まさかこんな事件を起こすとは」
「怖い怖い。綺麗な顔をして、とんだ悪女だよ。グレイソンに気のないフリをして、自分が疑われないようにしたのかね」
「あの女よ!あいつがグレイソンをたぶらかして、邪魔な婚約者のカティアに毒を盛ったんだわ」
居ても立っても居られず、声を上げた。
「待ってください。私は犯人ではありません」
人々の視線が一気に集まる。冷たい眼差しに怯みそうになるが、周囲に味方は誰もいなかった。ひとりで身の潔白を証明して、戦うしかない。
「私がやった証拠はないでしょう?根拠もなく犯人呼ばわりするのはやめてください」
すると、カティアの取り巻き達がヒールを鳴らしてこちらへやってきた。目くばせしながらニヤリと笑う。
「あなたの他に誰が犯人だというの?証拠を隠しても無駄よ。荷物を全て調べさせてもらうわ」