悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました
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次の日、昼食を終えて薬室に戻る途中、庭にラヴィスの姿があった。
いつもなら声をかけて駆け寄るが、いまだに気分が晴れず楽しくおしゃべりをする気にはなれない。
なにをしても昨夜のダンスが頭をよぎってつらくなる。一瞬ラヴィスと目が合ったが、黄金の瞳が昨夜のベルナルド様と重なって、つい顔を伏せてしまった。
しかし、薬室に向かおうとした途端、くいっとワンピースの裾を引かれた。驚いて振り向くと、いつのまにか追いかけてきたラヴィスが軽く噛んで引き止めている。
導かれるまま庭に足が動き、芝生へ横たわった大きな体の前足と後ろ足の間におさまると、柔らかな尻尾が寄り添ってくる。
「いいの?いつもは触らせてくれないのに」
ラヴィスはなにも答えないが、クッションサイズの尻尾を抱きしめても嫌がらなかった。
落ち込んでいるのを察してくれたのかな。もしかして、励まそうとしてくれてる?動物のほうが、そういうのに敏感だったりするのかもしれない。
思わぬ気づかいに、心が少し軽くなった。じわじわと温かくなる。
「ありがとう、ラヴィス。実はちょっと元気なかったんだ」
次の日、昼食を終えて薬室に戻る途中、庭にラヴィスの姿があった。
いつもなら声をかけて駆け寄るが、いまだに気分が晴れず楽しくおしゃべりをする気にはなれない。
なにをしても昨夜のダンスが頭をよぎってつらくなる。一瞬ラヴィスと目が合ったが、黄金の瞳が昨夜のベルナルド様と重なって、つい顔を伏せてしまった。
しかし、薬室に向かおうとした途端、くいっとワンピースの裾を引かれた。驚いて振り向くと、いつのまにか追いかけてきたラヴィスが軽く噛んで引き止めている。
導かれるまま庭に足が動き、芝生へ横たわった大きな体の前足と後ろ足の間におさまると、柔らかな尻尾が寄り添ってくる。
「いいの?いつもは触らせてくれないのに」
ラヴィスはなにも答えないが、クッションサイズの尻尾を抱きしめても嫌がらなかった。
落ち込んでいるのを察してくれたのかな。もしかして、励まそうとしてくれてる?動物のほうが、そういうのに敏感だったりするのかもしれない。
思わぬ気づかいに、心が少し軽くなった。じわじわと温かくなる。
「ありがとう、ラヴィス。実はちょっと元気なかったんだ」