追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
一:召喚聖女、魔王になる
絢爛豪華な謁見の間の中央で、私は一方的に糾弾されていた。
「偽聖女エマ! お前のような詐欺師はキーラン国に必要ない。今すぐ出て行け!」
「我々を混乱させ、聖女スミレに無礼を働く腐った心根は到底看過できるものではない!」
目をつり上げ、高慢な物言いで私を責めるのは、この国……キーランの国王と王太子だ。
「だから、私はそんなことをしていません!」
私は精一杯自分の無実を訴えているのだけれど、相手は聞く耳持たずといった状態だ。
「頭が高い!! 罪人風情が生意気な!!」
屈強な兵士によって、私は赤い絨毯に膝をつかされ、頭を押さえつけられてしまった。
「痛……っ!」
無理な体勢を取らされた体は痛みに耐えきれず、思わず喉から悲鳴が漏れる。
目の前で真っ赤な顔で怒鳴っている二人は、キーランの国王と王太子だ。
国のトップだというのに、二人共、頭に血の上りやすい性格をしていた。
「本当に、何もしていないのに」
私の意見など、誰も聞いてくれない。
少し調べればわかることなのに、この人たちは真実を見極めようとも思わないのだ。
私は小さくため息を吐き、冷静に玉座を見て考え込んだ。とはいえ、手詰まりだ。
私が何を答えたところで、今さら聞き入れてはもらえないだろう。
「困った……」
詐欺師だのスミレに危害を加えただの告げられても、両方身に覚えがない。
「偽聖女エマ! お前のような詐欺師はキーラン国に必要ない。今すぐ出て行け!」
「我々を混乱させ、聖女スミレに無礼を働く腐った心根は到底看過できるものではない!」
目をつり上げ、高慢な物言いで私を責めるのは、この国……キーランの国王と王太子だ。
「だから、私はそんなことをしていません!」
私は精一杯自分の無実を訴えているのだけれど、相手は聞く耳持たずといった状態だ。
「頭が高い!! 罪人風情が生意気な!!」
屈強な兵士によって、私は赤い絨毯に膝をつかされ、頭を押さえつけられてしまった。
「痛……っ!」
無理な体勢を取らされた体は痛みに耐えきれず、思わず喉から悲鳴が漏れる。
目の前で真っ赤な顔で怒鳴っている二人は、キーランの国王と王太子だ。
国のトップだというのに、二人共、頭に血の上りやすい性格をしていた。
「本当に、何もしていないのに」
私の意見など、誰も聞いてくれない。
少し調べればわかることなのに、この人たちは真実を見極めようとも思わないのだ。
私は小さくため息を吐き、冷静に玉座を見て考え込んだ。とはいえ、手詰まりだ。
私が何を答えたところで、今さら聞き入れてはもらえないだろう。
「困った……」
詐欺師だのスミレに危害を加えただの告げられても、両方身に覚えがない。
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