追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
微笑ましく思いながらテオを眺めていた私は、あることに気づいた。
「あら、あなた、怪我をしていますね」
足に酷い傷があったので、治癒のスキルでひょひょいのひょいと治してあげる。
耳と尻尾を出したままのテオは、治癒していく自らの足を見つめ、驚愕に目を見開いた。
衛兵仲間たちも、まじまじと治療現場を観察している。
「テオは以前、個人で魔物退治を生業にしていたのですが、足に大きな怪我を負ってしまってね。風の魔法だけでは森での移動が難しく、門番に転職したところだったんです」
兵士の一人が、テオの過去について事情を説明してくれた。
たしかに、森で移動するのには、彼のスキルの風魔法は向いていないだろう。
あれは、広い場所で使うものだ。
それを考えると、門番は基本門を見張る仕事なので、じっとしていることが多い。
「働けなくなったテオを門番として雇ったのが、たまたま通りかかった魔王陛下で。それ以来、こいつは陛下を崇拝しまくっているんですよ」
「なるほど、そういうことだったのですね」
それで、魔王と一緒にいる私を敵視していたらしい。ちょっと迷惑な話だ。
怪我の治ったテオは、私を観察するように見たあと、おもむろに頭を下げた。
土下座して、今にも地面にめり込ませそうな勢いで床に頭をつける。
「すいませんっした!」
「えっ、ええっ!?」
「救国の……伝説の聖女様だったとは知らず、俺はあなたに無礼な真似を……」
モフィーニアで前世の私は、そんな呼ばれ方をされていたのか。
ちょっと恥ずかしい。
「あら、あなた、怪我をしていますね」
足に酷い傷があったので、治癒のスキルでひょひょいのひょいと治してあげる。
耳と尻尾を出したままのテオは、治癒していく自らの足を見つめ、驚愕に目を見開いた。
衛兵仲間たちも、まじまじと治療現場を観察している。
「テオは以前、個人で魔物退治を生業にしていたのですが、足に大きな怪我を負ってしまってね。風の魔法だけでは森での移動が難しく、門番に転職したところだったんです」
兵士の一人が、テオの過去について事情を説明してくれた。
たしかに、森で移動するのには、彼のスキルの風魔法は向いていないだろう。
あれは、広い場所で使うものだ。
それを考えると、門番は基本門を見張る仕事なので、じっとしていることが多い。
「働けなくなったテオを門番として雇ったのが、たまたま通りかかった魔王陛下で。それ以来、こいつは陛下を崇拝しまくっているんですよ」
「なるほど、そういうことだったのですね」
それで、魔王と一緒にいる私を敵視していたらしい。ちょっと迷惑な話だ。
怪我の治ったテオは、私を観察するように見たあと、おもむろに頭を下げた。
土下座して、今にも地面にめり込ませそうな勢いで床に頭をつける。
「すいませんっした!」
「えっ、ええっ!?」
「救国の……伝説の聖女様だったとは知らず、俺はあなたに無礼な真似を……」
モフィーニアで前世の私は、そんな呼ばれ方をされていたのか。
ちょっと恥ずかしい。