追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
その後、しばらくの間、私とスミレは王宮で過ごした。

しかし、スミレ虚言は酷くなる一方で、王や王太子は彼女の言葉を無条件で信じた。

彼女のスキル「魅了」が働いているのかもしれない。

いや、真偽はどうでもいいのだろう。

彼らにとっては聖女の機嫌を取ることが最優先なのだ。

こうして、僅かな期間のうちに私は王宮中で罪人呼ばわりをされるようになったのだった。そして、冒頭に戻る。

一方的に私を日本から呼びつけたくせに、「出て行け!」なんて失礼極まりない。

だから、国外追放を言い渡された私は、とっととキーランから逃げて生活する術を探そうと思った。

探そうと思ったのに……
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