追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい！～私が真の聖女だったようですがもう知りません！～

食事のあとは調理器具についての説明をして魔王城へ帰還する。

洞窟都市フォルフォッグの訪問は、予想以上に満足できる結果に終わったのだった。

その後も、私は時折「熱鍋の郷」を訪れ、調理器具の進捗を確認したり、新しいソースのレシピを伝えたりという作業を繰り返す。

最初は渋々協力してくれていたトルンたちだけれど、しばらくすると彼らの様子が変わり始めた。

「なあ、聖女様。この調理器具、量産して他の奴にも売っていいか？　ドワーフ仲間たちから欲しいと言われたんだ」

「私は構わないですよ？」

「そうか、感謝する」

そんなやり取りがあってしばらくのち、『熱鍋の郷』はソース普及の拠点となり、数々の新種の調理器具を生み出したことがきっかけで、フォルフォッグのドワーフたちの間で一躍有名になってしまったのだった。

武器作りという彼らの目標とは少し違うけれど、工房の人気が出て良かったと思う。