追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
現在、私はロープでぐるぐる巻きにされ、猿ぐつわを嵌められ、護送馬車でどこかへ運ばれている。
何がどうしてこうなったのかはわかっている。
罪人を確実に国外へ出すためとか言って、王や王太子が私を拘束するよう兵士に命じたのだ。町人と軽んじているくせに、彼らはどこかで私を恐れているみたいだった。
為す術なく捕まった私は、ポイッと馬車に放り込まれドナドナ中なのだ。
何日間か走り続けた馬車は、森にたどり着いた。
辺りは静かで人の姿もなく、森林特有の湿った空気の中、木々と土の匂いが広がる。
――ここが国境なのかな?
ようやく解放されるかと期待したけれど、そんな考えは甘かったようだ。
集まった兵士たちは、私を前にして血も涙もない相談をし始めた。
「罪人は、この森へ置いていこうか?」
ちょっと待って、私に下された処罰って、国外追放だよね!?
拘束放置プレイではないよね!?
「フガ、フガガ!」
異を唱えようにも、猿ぐつわのせいで声が出せない。
――さすがに、こんな場所に置き去りにされたら困るんですけど!
「そうだな、森に捨てておけば、魔獣が片付けてくれるだろう。陛下や殿下は、聖女様に仇をなした者を生かしておくべきではないと仰せだ」
「町人とはいえ、得体の知れない異世界人だしな。念のためか……」
「魔の森の魔獣たちなら、綺麗に食ってくれるんじゃないか?」
なんということ! 彼らは始めから森で私を始末する気だったのだ。
「フガー! フガガガ!!」
必死に助けてくれるよう訴えるけれど、やっぱり猿ぐつわのせいで声にならず、兵士には届かない。
何がどうしてこうなったのかはわかっている。
罪人を確実に国外へ出すためとか言って、王や王太子が私を拘束するよう兵士に命じたのだ。町人と軽んじているくせに、彼らはどこかで私を恐れているみたいだった。
為す術なく捕まった私は、ポイッと馬車に放り込まれドナドナ中なのだ。
何日間か走り続けた馬車は、森にたどり着いた。
辺りは静かで人の姿もなく、森林特有の湿った空気の中、木々と土の匂いが広がる。
――ここが国境なのかな?
ようやく解放されるかと期待したけれど、そんな考えは甘かったようだ。
集まった兵士たちは、私を前にして血も涙もない相談をし始めた。
「罪人は、この森へ置いていこうか?」
ちょっと待って、私に下された処罰って、国外追放だよね!?
拘束放置プレイではないよね!?
「フガ、フガガ!」
異を唱えようにも、猿ぐつわのせいで声が出せない。
――さすがに、こんな場所に置き去りにされたら困るんですけど!
「そうだな、森に捨てておけば、魔獣が片付けてくれるだろう。陛下や殿下は、聖女様に仇をなした者を生かしておくべきではないと仰せだ」
「町人とはいえ、得体の知れない異世界人だしな。念のためか……」
「魔の森の魔獣たちなら、綺麗に食ってくれるんじゃないか?」
なんということ! 彼らは始めから森で私を始末する気だったのだ。
「フガー! フガガガ!!」
必死に助けてくれるよう訴えるけれど、やっぱり猿ぐつわのせいで声にならず、兵士には届かない。