追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
「それで、噂の内容はどんなものなのです?」
「妙な話で、百年前に国を救った救国の聖女が生まれ変わって戻ってきたとか。その聖女は、今は魔王に保護されているらしい」
「なんだか、うさんくさい噂ですわね」
「当初は俺もそう思っていた。しかし、その聖女の現れた時期が、エマが逃げた時期と一致しているんだ。聖女の特徴は黒髪に、左右の瞳の色が異なると……」
「それって……」
「ああ、聖女の生まれ変わりに関してはともかく、エマがモフィーニアに逃げ込んだ可能性がある。どうやって結界を抜けたのかはわからないが、聖女のスキルを持っているなら、あるいは……」
「なら、早く連れ戻さないと!」
リマは王子に強く訴えた。
「百年前の聖女はキーランを裏切ってモフィーニアの魔王の味方についたという。そのせいで、我が国は痛手を負ったばかりか、二度と魔族たちのいる場所へ侵入できなくなってしまった。今回もエマを見逃せば、どんな被害が出るか……」
「そのとおりですわ。さらに、国王陛下は聖女の力を必要としておられます。早くエマを捕らえて差し上げなければ。けれど、モフィーニアにいるのなら、呼び出すのは難しいですわね」
「それなら、俺に良い考えがある。実は国境沿いに現れた魔族を根こそぎ捕らえたんだ。そいつらを使ってモフィーニア内へ侵入させ、聖女を連れ戻せばいい」
「でも、どうやって? 魔族が素直にこちらの言うことを聞くとは思えませんわ」
「方法ならあるさ。最悪、隷属印を使えば言うことを聞かせられる」
隷属印とは、過去に召喚された錬金術師が開発した道具の一つで、相手の体に印を刻むことにより、強制的に隷属状態にできるというもの。
印を押された人間は、命令に逆らうと苦痛を受け、最悪死に至るという恐ろしい作用を持つ。この隷属印は一つしかなく、現在王家にて保管されていた。
今でも、言うことを聞かない相手に使用するらしい。
「妙な話で、百年前に国を救った救国の聖女が生まれ変わって戻ってきたとか。その聖女は、今は魔王に保護されているらしい」
「なんだか、うさんくさい噂ですわね」
「当初は俺もそう思っていた。しかし、その聖女の現れた時期が、エマが逃げた時期と一致しているんだ。聖女の特徴は黒髪に、左右の瞳の色が異なると……」
「それって……」
「ああ、聖女の生まれ変わりに関してはともかく、エマがモフィーニアに逃げ込んだ可能性がある。どうやって結界を抜けたのかはわからないが、聖女のスキルを持っているなら、あるいは……」
「なら、早く連れ戻さないと!」
リマは王子に強く訴えた。
「百年前の聖女はキーランを裏切ってモフィーニアの魔王の味方についたという。そのせいで、我が国は痛手を負ったばかりか、二度と魔族たちのいる場所へ侵入できなくなってしまった。今回もエマを見逃せば、どんな被害が出るか……」
「そのとおりですわ。さらに、国王陛下は聖女の力を必要としておられます。早くエマを捕らえて差し上げなければ。けれど、モフィーニアにいるのなら、呼び出すのは難しいですわね」
「それなら、俺に良い考えがある。実は国境沿いに現れた魔族を根こそぎ捕らえたんだ。そいつらを使ってモフィーニア内へ侵入させ、聖女を連れ戻せばいい」
「でも、どうやって? 魔族が素直にこちらの言うことを聞くとは思えませんわ」
「方法ならあるさ。最悪、隷属印を使えば言うことを聞かせられる」
隷属印とは、過去に召喚された錬金術師が開発した道具の一つで、相手の体に印を刻むことにより、強制的に隷属状態にできるというもの。
印を押された人間は、命令に逆らうと苦痛を受け、最悪死に至るという恐ろしい作用を持つ。この隷属印は一つしかなく、現在王家にて保管されていた。
今でも、言うことを聞かない相手に使用するらしい。