追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
聖女食堂の開店時間はお昼と夜で、空いている時間は料理の下ごしらえをし、足りない食材を補充する時間に充てている。

その時間設定の方が、魔王城で働く魔族たちの生活スタイルに合っているのだ。

「では、今日のランチを作りましょう」

本日の助っ人は、料理人たちの中でも一番ムキムキな料理長。

「おお、いいですな! 筋肉がうなりますな!」

趣味は筋トレ、特技は栄養管理。

トレーナーとしても、ボディービルダーとしても生きて行けそう。

「料理長、こういう食材があれば、教えていただきたいのですが……」

「おおっ! それなら、倉庫にありますぞ!! いやあ、聖女様もお目が高いっ!!」

「あと、こういう野菜ってモフィーニアで生産していますか?」

「この野菜はないですが、似たようなものなら取り寄せたことがありますぞ!」

これは、かなり頼もしい。

小さなモフモフたちも、手伝いをしようと倉庫の前に集まってきた。

「ああ、足下は危ないでちゅよ~。こっちへ並んでくだちゃいね~」

……そして、料理長は可愛いものが好きみたいだ。

モフモフを優しい目で見つめている。同志よ!

彼らとなら、うまくやっていけると確信する私だった。
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