追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
しばらくして、グルルルと間近で低いうなり声が複数聞こえた。
びっくりして、縄を解こうと動いていた手足を止める。
――何、今の……
カサカサと、木の葉を踏む足音が近づいてくる。
十中八九、兵士の言っていた魔獣だろう。怖すぎて声も出ない。
呼吸を止めて気配を消そうと試みるけれど、嗅覚の鋭い獣を前にしては無意味に思えた。自分の心音がやけに大きく聞こえる。
やがて、足音は横たわる私の背後で停止し、ハアハアと荒い息がむき出しの手首にかかった。
――近くに、何か来たー!!
続いて、同じような足音が次々に近づいてくる。群れのようだ。
――嫌だ! 殺される!
恐怖から目をつむったそのとき、不意に強い風が吹いた。
「ギャウッ!」
「ギャ、キャウンッ!」
「キャンッ、キャイーン!」
次々に、魔獣の悲鳴が上がる。
そうして、徐々に魔物の気配は遠ざかっていき、辺りは静かになった。
びっくりして、縄を解こうと動いていた手足を止める。
――何、今の……
カサカサと、木の葉を踏む足音が近づいてくる。
十中八九、兵士の言っていた魔獣だろう。怖すぎて声も出ない。
呼吸を止めて気配を消そうと試みるけれど、嗅覚の鋭い獣を前にしては無意味に思えた。自分の心音がやけに大きく聞こえる。
やがて、足音は横たわる私の背後で停止し、ハアハアと荒い息がむき出しの手首にかかった。
――近くに、何か来たー!!
続いて、同じような足音が次々に近づいてくる。群れのようだ。
――嫌だ! 殺される!
恐怖から目をつむったそのとき、不意に強い風が吹いた。
「ギャウッ!」
「ギャ、キャウンッ!」
「キャンッ、キャイーン!」
次々に、魔獣の悲鳴が上がる。
そうして、徐々に魔物の気配は遠ざかっていき、辺りは静かになった。