追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
翌日、さっそく残りの情報を手に入れたシリルの部下が、執務室へ報告に来たらしい。それらの話をかいつまんで、アルフィが私に教えてくれる。

「……というわけで、上級魔族はいませんが、中級魔族や下級魔族は無節操に攫われているらしいです」

食堂の休憩時間、座席に居座ってまかないご飯を食べるアルフィ。

仕事が長引いて、ランチに間に合わなかったのだ。

可哀想だったので、皆と一緒にまかないご飯を作ってあげた。

「下級魔族たちは使い物にならないからと、キーラン国内に止め置かれているようですが……」

「なんですって!」

あの可愛いモフモフたちが、キーラン国にとらわれているだなんて。

すぐにでも、助けに行かなければならない!

「許せません!」

私は怒りに燃えていた。

一緒に話を聞いていたテオも「ガルル……」とうなって感情を露わにしている。

小さなモフモフたちも、心なしか憤慨しているように見えた。

「落ち着いてください、エマさん。敵の狙いは、あなたでもあるのです」

「ですが、罪のない下級魔族たちを見捨てるわけにはいきません」

「陛下とも、きちんとお話をしてください」

「……わかりました」
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