追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
シリルは自分のステータスを確認した。

シリル
職業:魔王
スキル:全属性魔法(特大)、鑑定(大)
耐性:魅了無効、支配無効、全状態異常(大)、スキル譲渡(大)
備考:狐獣人魔族

支配無効に全状態異常も無効。エマより抵抗力があると思う。

「シリル、それでも、このままにしていれば、被害は増える一方です。早く止めなければ」

エマの言うことはもっともだ。彼女は魔族を巻き込んでしまったことに負い目を感じている。本当に、まったく、キーランは百年経っても何も変わらない。強欲で身勝手で、最低な国だ。

「僕は、エマの希望に安易に頷いてあげられない。君を再び失うのは、一番避けたいことだからだ。でも、魔王として、やらなければならないこともわかっているよ。キーラン側に、嘗めた真似をしたことを後悔させてあげよう」

「ええっ!?」

シリルは覚悟を決めた。

百年前はエマを一人で戦地に向かわせてしまったけれど、二度とそんなことはしない。

今度は自分も一緒についていき、共に戦うつもりだ。

いや、なるべく戦いをせず、その前に相手をやり込めるのがいい。

その後も散々話し合うことになったけれど、積極最後にはエマも折れてくれた。

こうして、モフィーニア側は、キーランに一泡吹かせる計画を立てることになった。
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